「成人式」の昔と今

成人式(せいじんしき)は、20歳を迎えた若者が大人としての自覚を持ち新たな人生の門出を祝う日本の伝統行事です。

現在は毎年1月の第2月曜日(成人の日)に行われます。


1. 成り立ちと歴史
成人を祝う風習は古くからあり、特に奈良・平安時代には成人の儀式が行われていました。


① 奈良・平安元服(げんぷく)・裳着(もぎ)

男子(元服):12歳~16歳ごろ、髪型を大人のものに整え、冠をつけて成人の証とした。

女子(裳着):貴族の娘が12~16歳ごろに成人の証として裳(も)という衣装を着る儀式。


② 室町・江戸時代:成人の儀

•男子は「元服」の風習が続き、髪を結い名前を改めることもあった。

•女子は「結髪(けっぱつ)」といって大人の髪型に変えることで成人とされた。


③ 近代(戦後以降):現在の成人式へ

1946年(昭和21年)埼玉県蕨市で「青年祭」として戦後の若者を励ます目的で開催。

1948年(昭和23年)1月15日が「成人の日」として祝日に制定。

2000年(平成12年)から「ハッピーマンデー制度」により、1月の第2月曜日に変更。

2022年(令和4年)成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたが成人式は多くの自治体で20歳のまま実施


2. 成人式の意味
成人式には以下のような意味があります


大人としての自覚を持つ

•社会の一員としての責任を認識し自立を意識する。


感謝の気持ちを持つ

•ここまで育ててくれた親や周囲の人々に感謝を伝える機会。


新たな人生の門出を祝う

•友人や地域の人々と共に大人としてのスタートを祝う。


3. 現在の成人式の

振袖(ふりそで): 女性は華やかな着物(振袖)を着ることが多い。

スーツ・袴(はかま): 男性はスーツが一般的だが、袴を着る人もいる。

自治体主催の式典: 市区町村が主催し、記念式典を開く。

同窓会のような側面も: 久しぶりに同級生と再会する場となることが多い。


4. 成人式が1月に行われる理由

•昔の「小正月(1月15日)」が、成長や成人を祝う風習と結びついていた。

新年のスタートにふさわしい行事として定着。


5. まとめ
成人式は古代から続く「成人の儀礼」を起源とし、戦後に現在の形になった伝統行事です。

20歳を迎えた若者が「大人」としての自覚を持ち、感謝し、新たな門出を祝う大切な節目のイベントとなっています。